- プレコンセプションケアとは|将来の妊娠・健康のためにできること
- プレコンセプションケアとは?
- なぜ今、プレコンセプションケアが注目されているのか
- プレコンセプションケアで行うこと
- 男性も対象となるケアへ
- プレコンセプションケアは
「妊娠しない人生」にも価値がある - プレコンセプションケアの
タイミングと受診の目安 - 当院のプレコンセプションケアの
ご案内 - プレコンセプションケア健診の
ご案内
プレコンセプションケアとは|将来の妊娠・健康のためにできること
「妊娠したいと思ってから考える」のではなく、「将来の妊娠や赤ちゃんの健康を考えて、今から準備する」。
それがプレコンセプションケア(Preconception Care)です。
近年、この考え方は女性だけでなく、男性も含めた“ライフプランに寄り添った健康管理”として注目されており、「妊娠するかどうかにかかわらず、自分の未来を整えるケア」として定義が広がりつつあります。
プレコンセプションケアとは?
プレコンセプションケアとは、将来妊娠を希望するかどうかに関係なく、
「妊娠前の段階で、自分の健康や生活習慣を見直し、整える取り組み」を指します。
従来は「妊娠を望む女性」が対象とされていましたが、最近では以下のように定義が拡大しています:
「将来の妊娠や子どもの健康、そして自分自身の健康と人生設計のために、すべての人が取り組むべきライフステージごとのケア」
つまり、結婚や妊娠の有無に関係なく、自分の身体や人生に向き合う準備ともいえるものです。
なぜ今、プレコンセプションケアが注目されているのか
妊娠や出産は、体に大きな影響を与えるだけでなく、赤ちゃんの一生の健康にも関わります。
さらに現代では、晩婚化・晩産化が進み、不妊や出産に関するリスクが増加しています。
そのため、妊娠前からの健康管理が重要であるという認識が医療現場でも高まり、WHOや日本産科婦人科学会なども積極的に啓発しています。
プレコンセプションケアは、以下のようなリスクの早期把握・予防にもつながります
- 不妊の原因疾患(甲状腺疾患、子宮内膜症など)の早期発見
- 妊娠中の合併症(妊娠高血圧、妊娠糖尿病など)の予防
- 将来の子どもの先天的疾患リスクの低減
- メンタルヘルスやライフプランの見直し
プレコンセプションケアで行うこと
レコンセプションケアでは、主に以下の項目について確認・支援を行います。
健康状態の確認と疾患の把握
- 基礎疾患(糖尿病・高血圧・甲状腺疾患など)の有無
- 月経の様子や婦人科疾患(子宮筋腫・内膜症・多嚢胞性卵巣症候群など)
- 性感染症のチェック
- メンタルヘルスやストレス状況
生活習慣の見直し
- 食生活の改善(栄養バランス・葉酸の摂取など)
- 運動習慣
- 睡眠の質
- 喫煙・飲酒の有無とその影響
ワクチン接種の確認
- 風疹・麻疹・水痘・B型肝炎など、妊娠前に必要なワクチン接種歴の確認と追加接種
性と生殖に関する知識の整理
- 妊娠のメカニズム、排卵の周期、年齢による妊娠力の変化
- 妊娠可能な期間と「年齢リスク」への理解
ライフプランの相談
- 将来の妊娠・出産に対する希望の有無
- 仕事と家庭のバランスの考え方
- パートナーとの共有・相談
男性も対象となるケアへ

以前は女性中心の取り組みとされていましたが、近年は男性もプレコンセプションケアの対象です。
精子の質や生活習慣が妊娠率や流産率に関係することが明らかになっており、男性側の健康管理も重要です。
- 精子の状態(禁煙・節酒・肥満管理が重要)
- 睡眠・ストレスの影響
- 性感染症や持病の管理
- 妊娠に関する基礎知識の共有
カップルで取り組むことで、より良い妊娠・出産、そして子どもへの健康リスク軽減が可能になります。
プレコンセプションケアは「妊娠しない人生」にも価値がある

「妊娠しない」「子どもを持たない」ことを選択する方も含めて、プレコンセプションケアは重要です。
なぜなら、この取り組みは、
- ご自身の健康を長期的に守る
- 生理不順や体調不良を見逃さない
- 女性としての体のリズムや変化を理解する
という面でも意味があり、どんなライフスタイルを選ぶ方にも役立つものだからです。
プレコンセプションケアのタイミングと受診の目安

特に以下のような方は、一度医療機関に相談してみましょう
- 将来妊娠を考えているが、いつかは決めていない
- 生理不順や月経痛がつらい
- 健康診断では異常がないが、体調に不安がある
- 妊娠や出産に関する不安がある
- パートナーと妊娠に向けて相談を始めたばかり
定期的に受ける健康診断とは異なり、**「未来の自分のために行う自発的なケア」**です。
早めの準備が、将来の選択肢を広げることにもつながります。
当院のプレコンセプションケアのご案内
当院では、女性・男性問わず、プレコンセプションケアのご相談を受け付けております。
専門医による丁寧な問診と検査、ライフスタイルや将来の希望に応じたアドバイスを行い、
一人ひとりに合わせたサポートを提供しています。
「いつかの妊娠のために」だけでなく、
「今とこれからの自分を大切にするために」
ぜひプレコンセプションケアを始めてみませんか?
プレコンセプションケア健診のご案内
当院では、将来の妊娠やご自身の健康を見据えた「プレコンセプションケア健診」をご用意しています。
妊娠を希望される方はもちろん、月経不順や将来の妊娠に不安をお持ちの方にも適した検査プランです。
健診の主な目的
- 将来の妊娠に影響する疾患の早期発見
- 子宮や卵巣の状態の確認
- 性感染症の有無のチェック
- 健康な妊娠・出産に向けた体づくりのサポート
プレコンセプションケア健診の内容
【基本検査】
- 問診(生理周期・既往歴・ライフプラン)
- 身体測定(身長・体重・BMI)
- 血圧測定
- 尿検査(たんぱく・糖など)
【血液検査】
- 貧血検査(赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット)
- 肝機能・腎機能検査
- 血糖・HbA1c
- 甲状腺機能(TSH、FT4)
- 風疹抗体・麻疹抗体
- B型肝炎・C型肝炎検査
- HIV抗体検査
- 梅毒検査(RPR・TPHA)
【性感染症検査】
- クラミジア・淋菌検査(子宮頸管分泌物)
- トリコモナス・カンジダ・細菌性膣症(膣分泌物)
【子宮・卵巣チェック】
- 経腟超音波検査(子宮筋腫・卵巣嚢腫・子宮内膜症の有無など)
- 子宮頸がん検診(細胞診)
ご希望に応じて実施可能なオプション検査
- 女性ホルモン(E2・LH・FSH・プロラクチン・テストステロンなど)
- AMH(抗ミュラー管ホルモン:卵巣予備能の目安)
- 精液検査(パートナー様用)
- HPV検査(ヒトパピローマウイルス)
※検査項目はご希望や症状に応じてご提案いたします。